4月から新社会人になる学生さん、入社1~2年の新人さん、新年度のスタートにきっと胸を膨らませていることでしょう。学生さんにとっては働くことで初めて会社から給料をもらうことができますね。なんとなくお金は自由に使えちゃいますが、将来に備えて貯金することも大事です。ここでは十分に貯金をしていくためのコツを紹介します。
Contents
社会人がこれから貯金を増やしていく方法!
社会人になると自由に使えるお金が格段に増えます。付き合いが増えたり、趣味の幅も広がったりと学生時代よりも有意義に過ごせるかもしれません。とはいっても将来に備えて貯金をしておくことも重要です。
貯金は収入から支出を差し引いたものですので、貯金するためには収入と支出をしっかりと把握しておく必要があります。
収入に関しては個人差、地域差もあるでしょう。平均的な新入社員の手取り収入は首都圏で20万円弱、地方で15~18万ぐらいでしょうか。プラスでボーナスがありますが、新入社員だと夏のボーナスは勤務実績が短いため、なしまたはあっても手取り数万円でしょう。冬のボーナスは満額入ることが多いですが、手取りでは25万円ぐらいと想定します。
初年度の給料が変動する一番の要因は残業代ですが、業態によっても残業時間が違うため、ここではオマケ程度のものとして考慮しないことにします。
そうなると、コントロールできるのは支出のみです。
社会人になって2~3カ月が経過すると、学生のころと比べて
どのような費用が増加するのか
その費用は今後少しでも抑えられるものなのか、抑えられないものなのか
が見えてきます。
具体的に項目を書き出して整理し、現実に照らし合わせていくらまでなら支出の削減可能なのかを把握します。
たとえば、手取り収入が20万円なのに、「9割の18万円貯金する」のを目標にするのは少し無謀な気がしますね。せっかく社会人になって自由なお金も増えたわけだから、少しは使いたいですし、貯金はストレスなく行うのが鉄則です。
それでは、どのように貯金していけばよいでしょうか。最も良いのは支出をコントロールするための家計簿をつけることです。1カ月の前半で使いすぎたら、後半で調整する、前半でゆとりがあれば後半で使うなどの調整をします。
家計簿をつけるのが難しいという人にとっては、
①貯金用の口座を用意して、給料が振り込まれたら資金を移動する
→口座の残高を見れば、可能な支出額がわかります
②会社の財形貯蓄・積み立てを利用する
→支出可能な額しか給料が振り込まれませんので無駄がありません
のがいいでしょう。
社会人の貯金 無理のない毎月の額の考え方
貯金額を計算するときに、手取り収入の〇%という考え方があります。実家に生活費などを入れていない場合、ざっくりと40~50%は可能なのかもしれませんが、個々の収入、支出によって大きく異なります。より具体的に貯金額を把握するにはやはり支出をはじき出して、金額で見ていった方が合理的です。
社会人にとって必要最小限の支出はいくらでしょうか。以下は筆者が想定する現在の若手社員が無理なく抑えられる支出額です。
実家暮らしの場合(生活費の負担なし)
通信費(ネット・スマホ) 6000円 (一人暮らしは+2000円)
食費 15000円(ランチその他) (一人暮らしは+10000円)
交際・娯楽費(飲み会)20000円
保険(掛け捨ての医療保険) 2000円
その他(趣味・イベント) 7000円
計 5万円(※)
※一人暮らしだと別途、家賃60000円、光熱費8000円がかかり、通信費と食費はそれぞれ2000円、10000円上乗せされ、支出は13万円になります。
手取り収入が19万円だとします。すると19万から5万円を引いた14万円が毎月の可能な貯金額です。
毎月14万円を貯金したとして、1年間12カ月で168万円。入社1年目の夏のボーナスが3万円、冬のボーナスが25万円とし、すべて貯金に回すとすれば合計で196万円の計算になります。
漠然とした計算ですが、実家暮らしなら年間200万円は貯金可能です(一人暮らしのおよそ倍)。毎月の貯蓄額を半分、7万円(手取りの35%程度)にしたとしても年間100万円は十分可能です。頑張って年間200万円貯めれば5年で1000万円、年間100万でも10年で1000万円になります。
社会人の貯金は実家暮らしの間に増やそう!
実家暮らしだと一人暮らしのおよそ倍のペースで貯金ができますが、だからといって、働いたお金すべてを自由に使えるとは限りません。実家に生活費を入れるように両親から要望があったり、自主的に生活費を負担したいという場合もあるでしょう。
第2章の試算によると一人暮らしで支出は8万円は増えますが、一人暮らしをしている場合と同様の考えで8万円を払うのも大変ですよね。あくまで家族間の話し合いで両親、子供双方にとって大きな負担にならない額に設定されるべきではありますが、一般的には3~4万円ぐらいが相場と考えてもよいでしょう。
最初の1~2年は税金の支払いが増えて(主に入社2年目の6月から必要になる住民税)、手取り収入はあまり伸びませんが、数年経つと徐々に増えるケースが多くなります。夏冬のボーナスも満額入れば、さらに貯蓄のペースは上がります。
もし、本当は社会人生活を一人暮らしで始めたかったけど、資金面の問題で実家暮らしからのスタートになった人にとっては、貯金のペースを増やすことが一人暮らしへの近道でもあります。実家暮らしからそのまま結婚を見据えている人にとっては、いつでも結婚できる資金力をつけるチャンスです。実家暮らしのうちに具体的な目標を立てることが重要です。
例えば、一人暮らしをしたいのであれば、家賃60,000円の1Kマンションに住むとすると引っ越し費用で40万円弱、家財道具をそろえるのに20万円程度は必要です。余裕を見て、80万円は貯めておきたいところです。
結婚を見据えているならば、新生活を始める費用として100万~150万円、披露宴の費用(ご祝儀の回収分を考えない一時的な負担は350万円程度)、新婚旅行費(2人で50万~100万円)で500万円ぐらいはあると安心です。
まとめ
年間100万円は若手社員が現実的に貯蓄可能な額として紹介しましたが、もちろん個人差はあります。収入と支出から「自分ならどのくらいの金額が貯蓄可能か」をきちんと分析することが重要です。月3万円、ボーナス含めて年間50万円であっても貯金の習慣をつけておくことに意味があります。社会人数年たって、貯金がまったくないのと貯金が100万円でもあるのとでは精神的な余裕が違いますよ。ケガ、病気などで働けないなど、いざというときにも貯金は役立ちます。
なお、今回は投資で増やすという視点は外しています。国債の利回りも低下する中、預貯金の利子には期待できず、貯蓄の少ない若手が株式、FXなどでリスクを取って増やすのはまだ早いと考えたからです。まずはコツコツと貯めることを優先しましょう。