サラリーマンの場合、1月から12月の1年間で得た収入をもとに、
会社で年末調整が行われ税金が確定しますが、1年間で特別な出費があった場合は翌年に確定申告をして支払い過ぎた税金を取り戻す必要があります。
ここでは、代表的な医療費控除について、計算方法や期間、家族の分や交通費をどの範囲まで含めてよいのかをお伝えします。
Contents
医療費控除 確定申告の計算方法は?
支払った医療費から10万円を引いた額が医療費控除額に(以下、計算方法)
医療費控除は基本的に年間の医療費が基本的に「10万円」を超えた場合に適用となります。
(課税所得税率が低い場合10万円未満でも医療費控除が適用できますが、ここでは割愛します)
支払った医療費から10万円を差し引いた額が所得から控除されます。
例えばモデルケースとして、家族4人(父:会社員、母:専業主婦、長男:小学生、次男:幼児)の場合を考えます。
給与収入(A):500万円
給与所得控除(B):154万円(500万×0.2+54万円)
給与所得(A-B):346万円
社会保険料控除(C):65万円
基礎控除(D):38万円
配偶者控除(E):38万円
課税所得(A-B-C-D-E):205万円
上記から計算される所得税:10万7500円(205万×0.1-9.75万円)
(※簡易的にするために復興特別所得税は省略しています)
このケースで、仮に医療費が家族で年間20万円かかったとしましょう。
確定申告を行えば、上記の控除に医療費控除が加わります。ここで控除される金額は20万-10万=10万円です。
課税所得は205万円から195万円に変わります。
所得税:9.75万円(195万×0.1-9.75万円)
戻ってくる税金:1万円
所得税では1万円ですが、翌年6月から支払う住民税にも節税効果があり、上記の場合はおよそ1万円です。
確定申告によって2万円の軽減となります。
確定申告の期間はいつからいつまで?
医療費控除はいつからできるのでしょうか。
一般的に確定申告は2月中旬から3月中旬ですが、これは追加納税がある人のケース。
医療費控除のように税金を取り戻すための「還付申告」の場合は1年間行えます。
つまり、1月初旬(2016年の場合は1月4日)から行うことができます。
申告の方法は①税務署に行く(または郵送する)②eTaxを用いて電子申請のどちらかです。
2月中旬からは税務署も込み合いますので、できれば医療費が10万円を超えそうな場合は、12月ごろから医療費の取りまとめを行い、1月中に確定申告を行いたいところです。
医療費控除 確定申告ではどの範囲まで含めてよい?交通費は?
同一生計家族の医療費は?医療費、交通費はどこまで対象として良いのでしょうか。
医療費10万円といっても、家族1人だけではありません。同居する家族はもちろん、別居していても
生計を同一にする家族(同一生計)であれば医療費をまとめることができます。家族に所得がある人が2人以上いる場合、「所得が高い人がすべて医療費を支払った」として、医療費をすべてまとめるのがベストです。
医療費の範囲ですが、病院で受けた診察、薬局で処方された薬のほか、ドラッグストアで購入した風邪薬、整骨院で受けた治療も対象になります。
また、自家用車以外で負担した交通費(電車、バス、タクシーなど)も医療費の中に含めることができます。
タクシーなどは領収書が必要ですが、電車、バスは不要です。移動したメモを用意していれば問題ありません。
ちなみに、家族の付き添いの場合の交通費も、医療費控除に含めることができます。
まとめ
確定申告の医療費控除について、計算方法や家族の医療費、交通費についてまとめました。
筆者の家族は実際にここ4~5年は医療費控除を行っており、医療費は発生時点でエクセルで管理するようにしています。
また、意外とかかるのが子供の出産時。
出産一時金(一般的には42万円)を超える出産費用はすべて医療費控除の対象となるため、医療費控除で数万円戻ってくることも。ポイントは「漏れなく計上すること」と「ダメかなと思ってもとりあえず申請すること」です。