体がだるい、眠れない、精神的に参った・・・もしかしてうつ病?
心療内科に行くべき?
サラリーマンなら会社はどうする?
SSRI(抗うつ薬)は効果があるの?
企業のストレスチェックは?
2015年12月から従業員が50人以上の企業を対象として、従業員のストレスチェックが義務化されます。
近年、サービス残業や過労死、うつ病の増加などメンタルヘルスの問題が深刻になっていますが、
ここでは今や生涯罹患率は10数人に1人ともいわれる「うつ病」について報告します。
ストレスチェックそのものは、企業がメンタルヘルス不調で悩む社員を見つけるのに大いに役立つものですが、
体調を管理するのは個々の役目。
症状を放置していれば悪化する可能性もあります。
以下はうつ病になった筆者の身内(現在はほぼ回復)からの体験談です。
体がだるい、なんとなくやる気がおきない、つらい。
もしかしたら、自分はうつ状態なのかと思ったときに役立ちます。
Contents
うつ病の症状 初期段階での対処が重要!・・・体験談
もしかしたらうつ状態?頑張りすぎる前にまず「休む」ことが大切です!
私(筆者の身内)は転職後、新しい仕事に慣れずに大きなプレッシャーの下で業務をこなしていました。
会社の同僚からは敵対視され、仲良くコミュニケーションも取りづらい雰囲気。
でも、仕事はやらねばならない。
期限が迫っている・・・。
常に頑張りすぎてしまう性格でした。
そんな私がうつ病だと自覚したのは、精神的なストレスが重なった状態で仕事をしていたある夜のこと。
頭の中の神経が「ブチッ」と切れたような音がしたのです。
翌日から私は起き上がることができず、長い闘病生活が続くことになりました。
重度の抑うつ状態でした。
今思えば1か月ぐらい前から予兆はありました。
仕事のプレッシャーで常に帰宅しても仕事のことが頭から離れない。
寝てもなかなか眠れた気がしない。なんとなく疲れやすい。
このときに気づいて少し休んでいれば、と悔やまれます。
仕事などで精神的に追い詰められていて、体の異変を感じたときにまずすべきことは、
とにかく「休む」ことです。
1日ではなく、3~4日間をオススメします。
サラリーマンなら有給休暇を使って休み(場合によっては欠勤)、家事、育児などもできるだけほかの人に任せます。
休んでいる間は、ひたすら寝る、または自分の好きなことに没頭します。
「3~4日も会社を休めないよ」というサラリーマンの声が聞こえてきそうですが、自分の体を守るために必要な日数です。
会社によっては病気で一定期間休む場合、診断書の提出が求められますがこのくらいの日数なら不要でしょう。
「高熱が出た」、冬場なら「インフルエンザに罹患した」などと理由づけて、思い切って休みましょう。
大丈夫。あなたが休んでも、あなたの仕事を代わりにしてくれる人は必ずいます。
「この仕事は自分しかできない」は思い込みでしかありません。
他の人でもこなせるような態勢を整えておくのは本来会社の役割でもあります。
あなたがうつ状態でない、もしくはごく軽度のうつ状態であればこの期間で体調は回復するはずです。
「自分がいなくても大丈夫なんだ」と少し肩の荷を下ろして(ネガティブには考えず)。
今後も仕事に取り組めばよいでしょう。
問題はこの期間で回復しなかった場合です。
うつ病の時の病院は?治療や薬は必要?
3~4日の休みの間に心療内科に予約を入れておきます。
精神科でも対応してくれますが、「心療内科」「~メンタルクリニック」の方が敷居は低いでしょう。
予約なしでも初診を受け付けているクリニックもありますが要注意。
うつ病の素人医師が担当している可能性があります。
自宅から近く、精神科専門医がいるところを選びましょう。
3~4日で完全に回復したならば予約をキャンセルすればよいです。
そうでない場合、通常、初診までに1週間かかるので、休みの後、
出社できそうなら出社してできる範囲で業務をこなし、無理なら潔く休んで初診を待ちます。
最近は、投薬を第一選択肢とはしない心療内科も増えてきましたが、
それでも投薬メインのクリニックが大多数を占めます。
運動 療法(有酸素運動など)、食事療法(糖質を抑え、たんぱく質を取る)、また自分の物事の受け止め方を変える認知行動療法なども有効ですが、これは行うだけの気力がある人に限った話。
数日間の休息で思うように回復しない場合、心身ともにエネルギーが奪われているため、
投薬によって気力を回復することが優先されます。
うつ病の症状と薬 会社を休職・・・個人の体験談
SSRIってどのように効くの?薬漬けにならないためには?休職したほうがいい?いろいろ悩むところです。
うつ状態の治療で使われる薬は主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれるものです。
脳内のセロトニン不足がうつ状態の原因と考えられており、薬で意図的にセロトニンの濃度を高めます。
セロトニンといえば、最近テレビの健康番組でも「幸せホルモン」など として紹介されるようになりましたね。
医師は患者さんの病状に合わせて薬を選びますが、実際のところどの薬がその患者さんに効くかどうかは投薬してみないとわかりません。
そこで、オーソドックスにまず1種類の薬を投薬します。
SSRIの効果がでるまでに少なくとも2週間はかかります。
徐々に一定の量まで増量して、思うような効果が得られなければ別の薬を試すことになります。
投薬の難点は自分に合う薬を見つけるまでに時間がかかることです。
私は重度だったため、会社を半年間休職し、合わせて4種類の抗うつ薬を飲みました。
同時に飲んでいたのは3種類です。
ただ、明確に効果が出たのはフルボキサミンマレイン酸(ルボックス、デプロメール)だけでした。
経験談から言いますと、自分 に合う薬は2週間ほどで必ず何らかの効果が出ます。
自分の体調、気分の変化を注視しながら、「この薬は効いている」という薬1つを選び出し、その薬を増やしていくことです。
私の場合は、フルボキサミンを1日50mg(初期要領)飲んで頭痛が治まりましたし、150mg飲んだときにほぼ寛解(病状が消失)となりました。
私は主体的に医師に「フルボキサミンを増やしてほしい」と訴えました。
投薬を医師に指示する患者は珍しいようですが、最終的に自分の体を守るのは自分です。
回復を早める糸口はここにあります。
薬漬けとは、効果が出ているかわからない薬を漫然と飲み続けることを指すと考えています。
また、SSRIには副作用も若干あります。
2種類以上の薬を飲んでいると薬の副作用が出る可能性も高くなりますし、何よりも費用がかさみます(抗うつ薬は全般的に薬価が高い)。
できるだけ1種類の薬で治療するようにしましょう。
最初に処方された1種類の薬かつ少量で気力が回復すれば、会社を休まなくてもよいかもしれませんが。
それで気力が回復しなければアウト。
サラリーマンなら休職も視野に、治療に専念しましょう。
まとめ
体験談から自分がうつ状態かもしれないと思ったときの対応をまとめました。
とりあえずは休んで様子見、それでもダメならクリニックへ、というのが主な流れです。
薬は飲み始めるとやめるのが大変ですので、薬の種類を最小限にするのがベスト。
抗うつ薬以外に抗不安薬や睡眠導入剤(睡眠薬)が処方されるケースも多いですが、
飲まないでも問題ない状態なら、飲まないに越したことはありません。
薬はうつの回復を早めるものであって、根本を治すものではないからです。
必要最小限の薬でまずは気力を回復し(寛解に近い状態)、その他の療法(運動、食事、認知行動療法など)で本来の脳の機能を回復し、薬に頼らなくても問題ない状態になるのが、目指すべき姿でしょう。