親知らずとは一番奥にある歯のことで、20歳前後に生えてきます。上下左右4本生える場合もあれば、数本のみの場合、まったく生えない場合もあります。顎が小さくなった現代人では不要とされており、他の歯に悪影響を与える場合などは抜歯が勧められます。ここでは、30代半ばになって抜歯をした筆者の体験談を報告します。

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親知らずの抜歯、メリット、デメリットは?抜歯は必要?不要?

筆者(30代半ば)の場合、上の左側のに1本、下の左右に2本の親知らずがありました。しかし、親知らずという歯の存在に30歳ぐらいになるまで気づいていませんでした。

きっかけはたまたま受けた自治体の定期検診。「親知らずが生えていますね。上は1本ありませんが、どこかで抜いたのでしょうか?」と言われましたが、歯を抜いたことなんてまったくない筆者。20代のころも歯が痛むことなどなく、気になったときに歯のクリーニングをしていた程度。その際にはまったく親知らずのことは言われていなかったので、正直びっくり。
「食べカスがつまって虫歯になりやすいかったりするので、悪影響があれば抜いたほうがいいです」といわれ、すぐの抜歯は勧められませんでした。

それでも、「抜きやすいので抜いたほうがいい」といわれ、2年半前に上の左側の歯は抜いてもらいました。「こちらはまっすぐ生えているので、腫れも少ないでしょう」といわれ、何の迷いもなく抜歯。指示通り、痛み止めを飲んだり、翌日通院して消毒してもらったりで、トラブルはなく今に至っています。

ところが、先日受けた検診でついに、

「下の右側の親知らずが虫歯になっていて、その前の歯も虫歯になっている」

との指摘。8カ月前に見てもらったときは虫歯になっていなかったのに・・・。

「将来的なことを考えると抜いたほうがいいです。このまま放置しておくと、大事な前の奥歯も救ってあげられないかもしれない」

このように言われ、「それならば抜歯をしよう」と思うわけですが、即座に先生から次の言葉が。

「上とは違って下の抜歯は腫れます。また、ごくまれなケースですが顎のあたりに麻痺が残る可能性があります。しかも、筆者さんの場合は歯が神経の近くを通っていることがレントゲンでわかりましたので・・・・」

内心、ビビりました。麻痺?後遺症?勘弁してくださいよ。そんなに言われたら、抜歯なんてできないと思うのが当たり前。その日は即答せずに、「考えます」とだけ伝えて歯医者さんを後にしました。

1日半ほどでしょうか。抜歯のメリット、デメリットを自分でも調べました。

抜歯のメリットは、
①歯に食べカスなどがつまらなくなる
②したがって口臭が少なくなる
③歯磨きがしやすくなる、虫歯になりにくい

筆者の場合は、食べカスがつまりやすいのが原因で虫歯になりました。虫歯による痛みはまだありませんでしたが、抜けば歯磨きもラクになるかもしれない、という思いはありました。

デメリットは以下の通りです。
①歯を抜くので、当然痛みがある。数日間は食事、運動など日常生活での自由が利かない
②将来的にほかの歯が使えなくなった時のスペアとして親知らずを保管しておくことができない
③抜歯は外科手術であるため、リスクがある(麻痺など)

筆者の場合は、虫歯だったのでもはやスペアとしての機能は期待できず、抜歯せざるを得ない状況でした。

一方で、他の歯と同じようにまっすぐ生えていて、かみ合わせに支障がない場合などは抜歯の必要はありません(実際、下の左側の親知らずは抜歯の予定はありません)。

親知らずの抜歯、痛みは?当日の様子をレポート

定期検診から2日後の午前、とりあえず歯医者さんに電話をしました。受付の女性に「そちらではよく親知らずの抜歯をしているか」「先生はどのような方か」再確認したかったからです。
親知らずの抜歯が一番得意なのは大学病院の口腔外科の先生のようで、抜歯を勧めてくれたかかりつけの先生のウデをある程度確かめる意図がありました。

すると、受付の方は

「はい、当院でA先生は何度も親知らずの抜歯を行っております。また口腔外科出身の先生です」
「麻痺などのリスクは1%程度と言われていますが、当院では私の知る範囲では聞いたことがありません」

受付の女性がそういうんだから大丈夫だろう。その日のお昼に1週間後の抜歯の予約をしました。

抜歯日当日、歯医者には11時半に予約を入れていましたが、朝9時から整骨院へ。いつもお世話になっている鍼灸師の先生の勧めで、歯痛を抑えるツボに鍼を打ってもらうことにしたのです。

打ってもらった箇所は以下の通り。

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手の親指と人差し指の付根にある合谷(ごうこく)と呼ばれる万能ツボです。
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歯の周囲、頬にあるツボです。

食事を済ませ、11時半、満を持して歯医者さんに行きました。

11時35分、診察台に上がります。簡単な説明があった後、歯に麻酔をします。

「たくさんの麻酔をします。痛かったら追加しますので教えてください」

麻酔が効き始めた11時45分ごろ、処置が始まりました。
私の親知らずはてっぺんは顔を出していましたが、横を向いていました。
ウィーン、ギーギー(歯を削る音)、カキッ、カクッ(歯を抜こうとする音)の繰り返し。
30分ぐらいたったころでしょうか。半分取れましたとの声が聞こえました。

「大変な箇所は終わりました。あとは残りの歯はぐらぐらしているので、もう少しです」

そう聞いて安心しましたが、そこからが長かった。
私の歯は奥の根っこが曲がっていたようで、ぐらぐらしていても抜きづらかったようです。
「ふ~」という先生の声とともに少し焦りが。「深呼吸、深呼吸」と自分に言い聞かせました。

30分ごろ経った12時40分ぐらい。

「無事に歯が抜けましたよ」

縫合のためピンセットで切開した歯茎を縫うのですが、縫う前にピンセットで唇をつままれてちょっと痛かった(笑)。口から糸が出るってなんだか不思議な感覚ですね。

最後に抜いた歯を見せてもらいました。根っこがしっかり曲がってました・・・・。

心配した麻痺のリスクについても説明があり、「歯を抜いた時に神経は見えなかったので、神経が傷ついたリスクはほぼない。万が一出ても、一生続くようなものではありません」と言われ安心。

麻酔が効いていて自分にはわからなかったので、助手の女性に「私の顔は腫れてますか?」と聞きましたが、直後は腫れていなかった様子。消毒のための予約を翌日に入れ、そのまま帰宅したのでした。

当日は麻酔の切れた16時過ぎから抜いた箇所が痛みました。食事が思うようにはできず激痛が。
痛み止め薬でしのぎながらも、意外と効果があったのは、あの合谷のツボです。右手をぐりぐりしているとなぜだか痛みが和らいだのです。

歯医者さんに行ってから数日後にこの記事を書いていますが、抜いた箇所がちょっと腫れた程度で、大きな腫れはなく平穏に過ごしています。しびれなども今のところありません。


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親知らずの抜歯、費用は?横向きは?上、まっすぐは?

私が歯医者さんに支払ったのは3790円でした。
かかりつけの歯医者であったこと、以前、レントゲン撮影をしていたことから、再診扱い、かつレントゲン費用はかかりません。再診料(76点)、投薬(68点)、手術費用(1120点)のみでした。

上のまっすぐな親知らずを抜いた時は、総額でも2000円しなかったと思います。
抜きやすかったからでしょう。しかし今回は横向きで時間も必要だったため、手術費用が上がりました。それでも想定の範囲内。1時間半もの作業で歯医者さんの収入が1万2600円(3790÷健保3割=約12600円)だったことを考えると、決して高くはありません。

薬局で受け取った薬の代金も630円程度。
念のため、財布には2万円ほど用意していきましたが、何だか得した気分でした。

まとめ

30代になって親知らずを抜いた筆者の体験談を紹介しました。年齢を重ねるごとに抜くのが大変になるようですので、決めたら早めのほうがいいでしょう。痛みがあるので、当日、翌日は仕事などの予定がない時期を選んだほうがいいでしょう。
また、歯の定期検診の大切さを知りました。異常がなくても、半年ごと(できれば3カ月ごと)にかかりつけの歯医者さんでチェックしてもらえば、大きなトラブルにはなりにくいです。

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